2008-08-02(Sat)
DIATONE DS-37HRVを1000円程度でエッジ張り替え(後編)
前編で取り去った後のウーハーに新しいエッジを貼ります。
■エッジの作成
袋しかありませんが材料です。左がシーリングバックアップ材、右が100円ショップの黒いLLサイズのTシャツです。これは100円ショップSeriaのシャツです。薄い方が便利なので100円シャツが最適に思えます。黒の方が元のエッジの色に近く目立ちません。なおシャツは一応水洗いしてあります。シーリングバックアップ材はカインズオリジナルの10mで確か248円のものです。


まず下のように、シーリング材を半分に(切り口が半円状に)切り取ります。紙筒を普通のA4用紙をバックアップ材にほぼ隙間無く巻き付け両面テープなどで固定したものです。これにカッターナイフを取り付け揺らしながら引っ張ります。大体一定に切れれば良いのでやり方は様々です。
次に、板の上に両面テープで貼っていきます。両面テープは周りも含めて貼っておきます。そして、布を貼っていきます。私は、スピーカーを物差しで測って、板にコンパスで円を描き、シーリング材を貼っていきましたが、物差しよりも、スピーカーにシーリング材を合わせて大きさを決めた方がよいかも知れません。少しくらい違っていても音は出ます(おいおい)。
次に、ダンピング材を塗ります。困ったことに先ほど書きましたとおり私はベンゼン環のアレルギーなのでシンナーなど以ての外です。参考にさせて頂いたホームページではダンピング材をシンナーで溶かしていますので真似できません。そこで、貼り付けに使うスーパーXという接着剤に目を付けました。シリコーン樹脂なので空気は通さない筈ですし、水にも強く、弾力もあります。使えるのではないかと。結果ですが、見た目は悪いですが、柔軟なエッジができます。ダンピング材を薄める技術も要らず手軽ですし良いのではないでしょうか。塗っていった後が下の写真です。
スーパーX参考ページ→http://www.cemedine.co.jp/product/industry/super_x.html



1日程度置いておきます。その後、水を付けて剥がします。ダンピング材が塗られていれば少しくらい引っ張ってもエッジは壊れません。一応、徐々にあちこちの方向から剥がした方が良いとは思います。
乾かします。薄いシャツですので、扇風機を使えば、夏なら1時間もすれば乾きます。乾いた後、適当な大きさに切り取ります。乾かしている間に、ウーハーのエッジ固定用のゴムを取り外します。エッジの外側の黒い部分がゴムです。20年近く経っていると接着剤もある程度劣化しているのでそのままでも引っ張れば取れますが、難しければアルコールを染み込ませて取ります。
乾いてエッジ状に切り取ったところで、スピーカーに合わせます。なるべく均等になるように位置決めしたら、ゴムで仮に止めておきます(乗せているだけ)。
スーパーXの本来の用途である接着を行います。私は綿棒にスーパーXを付け、スピーカーの表面(おもてめん)から、エッジとの間に間が開かないように一周塗っていきました。塗り終わったところでコーン紙の表と裏を指でつまんで固定していきました。そして、はみ出した部分は早めに拭き取ります。
エッジの外側は、枠に合わせて切り取り、両面テープで枠に固定しました。。ゴムは嵌めてあるだけです。本来きちんと固定するものでしょうが、私が聞く音量では問題ありません。分解していないからかもしれませんが、厳密に位置決めしなくても、スピーカーの3点を指で押して、ボイスコイルが擦れたりはしませんでした。厳密でなくても良いということなのでしょうか?
エンクロージャー(箱)に戻して前編の初めの写真の様に完成です。1日待って固定されてから音楽をかけてみましょう。これであと何十年か使えるはずです。
■音と余談と掛かった金額と
修理の金額ですが、シーリング材248円、スーパーX(接着剤)350円、Tシャツ105円、燃料用アルコール398円、板?円(廃材)。つまり1100円程度です。アルコールは殆ど残っていますし、スーパーXなども半分以上は残っていますので、実際のところは500円程度でしょう。私の時給が1000円だとしても5000円は掛かっていますので、スピーカー、修理の材料、送料を合わせても人件費の方が高いということになります。エッジ修理をプロに頼むと高い理由がわかりました。一番時間が掛かるのが、古いエッジ取りなのですが、時間が掛かって面倒だからでしょう。決して高いのは材料費のせいではないでしょう。
問題のDS-37HRVの音ですが、スコーカが良い音をしています。私は、どう聞いてもこのスピーカーの主役はスコーカだと思います。今までスコーカの重要性を感じたことはなかったのですが、認識を改めました。2wayではなかなか出会えない音です。B4C(4は下付き文字、炭化ホウ素)では無いようですが、流石は一応ボロンです。バイオリンの乾いた音は乾いて聞こえます。つまりわざと乾いた音を出している演奏なら忠実に、へたくそな演奏ならへたくそであることがわかるということです。ボーカルも最近のおもちゃスピーカーとは空気感が違います。空気感に、聞こえるような聞こえないようなもやっとした感じが少ないように思えます。15年以上昔に聞いたDS-37HRVと同世代のDS-V5000の音には及ばない音だと思いますが、DS-V5000のような2台で100万円を越えるスピーカーのエッセンス程度は感じられるスピーカーだと思います。値段が20倍くらい違いますので及んでもらったら困るでしょうが、低音が出るようになり、メインで使いたくなりました。
それにしても再生周波数帯域が45-30000Hzですが、22cmウーハーで何故に45Hzなのでしょう。そういえば、15年以上昔、スピーカーを買いに名古屋の大須に行って、性能が良いし、持ち運びが楽だし、音も気に入ったので、ONKYOのD-150を買いました。サランネットを片方紛失で安かったということが決め手だったことは置いておくことにしますが、その時に、何でこんなに大きいのに45Hzかと思ったスピーカーがありました。2台で4万円台のダイヤトーンだったのでDS-37HRVだったかもしれません。音は印象に残らなかったと記憶していますが、今となって良く聞こえるのは、スピーカーの周りがうるさくてわからなかったからなのか、私の耳が劣化したからなのか...。たぶん、1台60000円近辺のスピーカーと聞き比べたので良さがわからなかったのでしょう。そういうことにしておきます。
DS-37HRVは、45Hz~だし、ウーハーはプラスチックの成型品で安っぽいし、ボロンなのはスコーカのキャップだけというコストカットの限りを尽くしたようなスピーカーです。しかし、コストカットの果てに、上級機のエッセンスは残されていますので、音としてはなかなか満足できています。当時の定価が2本で58000円なら価格程度に価値はあったのではないかと思います。それにしてもDS-V5000は良いですよ。今でも買いたくない値段でしょうし、置きたくない大きさですが、1度聞いただけですが当時の印象は鮮烈でした。DS-37HRVもそのおまけくらいの価値はあるかということで感想としておきます。
■エッジの作成
袋しかありませんが材料です。左がシーリングバックアップ材、右が100円ショップの黒いLLサイズのTシャツです。これは100円ショップSeriaのシャツです。薄い方が便利なので100円シャツが最適に思えます。黒の方が元のエッジの色に近く目立ちません。なおシャツは一応水洗いしてあります。シーリングバックアップ材はカインズオリジナルの10mで確か248円のものです。


まず下のように、シーリング材を半分に(切り口が半円状に)切り取ります。紙筒を普通のA4用紙をバックアップ材にほぼ隙間無く巻き付け両面テープなどで固定したものです。これにカッターナイフを取り付け揺らしながら引っ張ります。大体一定に切れれば良いのでやり方は様々です。
次に、板の上に両面テープで貼っていきます。両面テープは周りも含めて貼っておきます。そして、布を貼っていきます。私は、スピーカーを物差しで測って、板にコンパスで円を描き、シーリング材を貼っていきましたが、物差しよりも、スピーカーにシーリング材を合わせて大きさを決めた方がよいかも知れません。少しくらい違っていても音は出ます(おいおい)。
次に、ダンピング材を塗ります。困ったことに先ほど書きましたとおり私はベンゼン環のアレルギーなのでシンナーなど以ての外です。参考にさせて頂いたホームページではダンピング材をシンナーで溶かしていますので真似できません。そこで、貼り付けに使うスーパーXという接着剤に目を付けました。シリコーン樹脂なので空気は通さない筈ですし、水にも強く、弾力もあります。使えるのではないかと。結果ですが、見た目は悪いですが、柔軟なエッジができます。ダンピング材を薄める技術も要らず手軽ですし良いのではないでしょうか。塗っていった後が下の写真です。
スーパーX参考ページ→http://www.cemedine.co.jp/product/industry/super_x.html



1日程度置いておきます。その後、水を付けて剥がします。ダンピング材が塗られていれば少しくらい引っ張ってもエッジは壊れません。一応、徐々にあちこちの方向から剥がした方が良いとは思います。
乾かします。薄いシャツですので、扇風機を使えば、夏なら1時間もすれば乾きます。乾いた後、適当な大きさに切り取ります。乾かしている間に、ウーハーのエッジ固定用のゴムを取り外します。エッジの外側の黒い部分がゴムです。20年近く経っていると接着剤もある程度劣化しているのでそのままでも引っ張れば取れますが、難しければアルコールを染み込ませて取ります。
乾いてエッジ状に切り取ったところで、スピーカーに合わせます。なるべく均等になるように位置決めしたら、ゴムで仮に止めておきます(乗せているだけ)。
スーパーXの本来の用途である接着を行います。私は綿棒にスーパーXを付け、スピーカーの表面(おもてめん)から、エッジとの間に間が開かないように一周塗っていきました。塗り終わったところでコーン紙の表と裏を指でつまんで固定していきました。そして、はみ出した部分は早めに拭き取ります。
エッジの外側は、枠に合わせて切り取り、両面テープで枠に固定しました。。ゴムは嵌めてあるだけです。本来きちんと固定するものでしょうが、私が聞く音量では問題ありません。分解していないからかもしれませんが、厳密に位置決めしなくても、スピーカーの3点を指で押して、ボイスコイルが擦れたりはしませんでした。厳密でなくても良いということなのでしょうか?
エンクロージャー(箱)に戻して前編の初めの写真の様に完成です。1日待って固定されてから音楽をかけてみましょう。これであと何十年か使えるはずです。
■音と余談と掛かった金額と
修理の金額ですが、シーリング材248円、スーパーX(接着剤)350円、Tシャツ105円、燃料用アルコール398円、板?円(廃材)。つまり1100円程度です。アルコールは殆ど残っていますし、スーパーXなども半分以上は残っていますので、実際のところは500円程度でしょう。私の時給が1000円だとしても5000円は掛かっていますので、スピーカー、修理の材料、送料を合わせても人件費の方が高いということになります。エッジ修理をプロに頼むと高い理由がわかりました。一番時間が掛かるのが、古いエッジ取りなのですが、時間が掛かって面倒だからでしょう。決して高いのは材料費のせいではないでしょう。
問題のDS-37HRVの音ですが、スコーカが良い音をしています。私は、どう聞いてもこのスピーカーの主役はスコーカだと思います。今までスコーカの重要性を感じたことはなかったのですが、認識を改めました。2wayではなかなか出会えない音です。B4C(4は下付き文字、炭化ホウ素)では無いようですが、流石は一応ボロンです。バイオリンの乾いた音は乾いて聞こえます。つまりわざと乾いた音を出している演奏なら忠実に、へたくそな演奏ならへたくそであることがわかるということです。ボーカルも最近のおもちゃスピーカーとは空気感が違います。空気感に、聞こえるような聞こえないようなもやっとした感じが少ないように思えます。15年以上昔に聞いたDS-37HRVと同世代のDS-V5000の音には及ばない音だと思いますが、DS-V5000のような2台で100万円を越えるスピーカーのエッセンス程度は感じられるスピーカーだと思います。値段が20倍くらい違いますので及んでもらったら困るでしょうが、低音が出るようになり、メインで使いたくなりました。
それにしても再生周波数帯域が45-30000Hzですが、22cmウーハーで何故に45Hzなのでしょう。そういえば、15年以上昔、スピーカーを買いに名古屋の大須に行って、性能が良いし、持ち運びが楽だし、音も気に入ったので、ONKYOのD-150を買いました。サランネットを片方紛失で安かったということが決め手だったことは置いておくことにしますが、その時に、何でこんなに大きいのに45Hzかと思ったスピーカーがありました。2台で4万円台のダイヤトーンだったのでDS-37HRVだったかもしれません。音は印象に残らなかったと記憶していますが、今となって良く聞こえるのは、スピーカーの周りがうるさくてわからなかったからなのか、私の耳が劣化したからなのか...。たぶん、1台60000円近辺のスピーカーと聞き比べたので良さがわからなかったのでしょう。そういうことにしておきます。
DS-37HRVは、45Hz~だし、ウーハーはプラスチックの成型品で安っぽいし、ボロンなのはスコーカのキャップだけというコストカットの限りを尽くしたようなスピーカーです。しかし、コストカットの果てに、上級機のエッセンスは残されていますので、音としてはなかなか満足できています。当時の定価が2本で58000円なら価格程度に価値はあったのではないかと思います。それにしてもDS-V5000は良いですよ。今でも買いたくない値段でしょうし、置きたくない大きさですが、1度聞いただけですが当時の印象は鮮烈でした。DS-37HRVもそのおまけくらいの価値はあるかということで感想としておきます。
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