普段の内容とは何の関係もなく、また誰の役に立つのか不明ですが、趣味のオーディオについて書くことにします。価格の割には良いと評判だったSONYのSS-MB360Hを、遊び半分で昨年購入し、半年程経ち、後に改造しています。以下、スピーカーの概要、レビュー、分解方法、簡単な改造と感想です。
私は一応15年以上オーディオを趣味にしています。また定価で合計100万円くらいのオーディオ機器は持っています。断っておきますと金額を自慢する気で書いているのではありません。買値は随分乖離していますし、自慢するようなオーディオは桁が違うことでしょう。私としてはそれ以上出せませんというのが実際ですが、費用対効果の比率が悪いのでこれ以上のオーディオは買いたくないという事もあります。最近していないので劣化しているかもしれませんがオーディオコードの向きを80%くらいの確率で当てられる程度の耳は有るはずです。これを踏まえた上でのレビューです。書いている内容が邪道だと思いますが、なんだその程度かと思って読んでいただければ幸いです。
■スピーカーの概要
SS-MB360Hは、50kHzまで再生可能なナノファイントゥイーターとKEVLAR(R)繊維で強化したHOPコーン振動板の13cmウーファーを搭載したスピーカーです。詳しくはソニーのページをご参照ください。
http://www.ecat.sony.co.jp/audio/avspeaker/products/index.cfm?PD=14002&KM=SS-MB360H
殆ど性能が同じで大きさ・重さもほぼ同じなのでSS-B1000が後継機だと思います。80-5000Hzが85-50000Hzになっているのが気になりますが、説明を見ても大差はないと思います。
http://www.ecat.sony.co.jp/audio/avspeaker/products/index.cfm?PD=28732&KM=SS-B1000
■レビュー
次に、SS-MB360Hをそのまま聞いてみたレビューです。アンプはソーテック VH-7PCです。ケンウッドがパソコン用に作ったセットコンポです。価格が安かったにもかかわらず不満の少ない音を出すコンポだと思います。アンプの音も大音量は苦手ですが音は素直だと思います。悪くいえばこぢんまりと纏まっている音です。(邪道な機械ばかり紹介している気がしますが)概要は以下をご覧ください。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001004/sotec.htm
2本で6000円程度の価格の割には結構まともなスピーカーだと思います。また、小編成の曲をバックグランドでかけておくには向いていると思います。しかし、本来の用途は5.1chのリアスピーカーでしょうから、メインで使うには、物足りない音です。オーケストラなどは聞く気になりません。低音が無いのでロックも向かないと思います。ボーカルは微妙なところです。これだけ聞いていれば、聞けなく無いですが、もう少し高級なスピーカーと比べると問題有る音質だと思います。まあ、2チャンネルのステレオ用のスピーカーではないですし、値段も値段なので仕方有りません。付属のスピーカーケーブルは10mで非常に細いものなので使うと不必要に音が劣化しそうでしたので使用していません。たまたま手元にあったaudiotechnicaのAT6157を1.5mくらいで使っています。このスピーカーにはちょうど良い程度の1m300円程度のケーブルで、これ以上太いケーブルは端子に挟まらない感じです。
■分解方法
分解方法としては、六角レンチでスピーカーは外れます。裏の端子は、プラスドライバーで外れます。ツイータが付いたままだと、箱から取り出せませんので、ツイータのケーブルを引き抜きます。半田付けされている訳ではないので手かペンチで外れます。+-も接続金具の形状が異なりますので間違える事はないと思います。しかし、kakaku.comの掲示板を見ていますと、六角ネジがダミーだという内容が出てきますので、もしかすると、私の手元にあるものと構造が異なる製品があるのかもしれません。
やっと今回の本題の分解した結果ですが、予想通り、全体的に安そうな感じでした。そもそも分解しようとしたきっかけは弦楽器(バイオリン、ビオラあたり)の音に雑味があり箱が鳴っているのではないかと考えたことによります。案の定、エンクロージャーが密度の低そうな集成材で強度不足による箱鳴りを起こしているように思えます。写真の通り1cm程度の厚さしか有りません。ウーファーの後ろの吸音材はポリエチレンに見えます。

分解してびっくりしたのは、ウーファーとツイータについて、両方ともスピーカーの振動板を支える周りと磁石を繋ぐ部分が全部プラスチックでできていることです。80-90年代のバブルなスピーカーは金属製が当たり前だったのでびっくりです。ウーファーのフェライト磁石は意外に大型です。写真に有りますようにキャンセルマグネットが挟んであります。ネットワークはツィータにコンデンサが(じかに)ついているだけのシンプルなものです。恐らく見た目からして両方ともフェライト磁石です。写真はツィータとウーファーの裏側です。


■簡単な改造と感想
ユニットの音ははどうなのかと、あまり期待しないでいい加減に、ウーファーを円筒形の容器に入れてみました。見ておわかりの方も居られるかもしれませんが、太陽誘電(OEM)の50枚パッケージのDVD-Rの入っていた容器です。吸音材にティッシュペーパーを7枚程、またケーブルとウーファーの間が浮くので、ティッシュ2枚を棒状にしてから円にしてエンクロージャーとスピーカーの間に置き封をしています。するとウーファーの磁石はそれなりに重いので自重で安定します。ちなみに左のティッシュの後ろにツィータは置いてあります。

音の方はツィータを切ると高音が有りません。フルレンジではなくあくまでウーファーのようです。しかし、箱に入っていたときよりも反応が鋭い感じになります。バスレフの雑味が無くなったせいか、箱鳴りが減ったせいか、箱による音の反射が少ないせいかは不明です。KEVLAR繊維入りのウーファーはなかなか良いようです。ツィータをウーファーの横に置くと、弦の響きがなかなかすばらしい音に変化しました。ツィータも安そうなコーン型に見えますが、意外に見た目と違い高級な音がします。ブラームスの交響曲の1,4番を聞いてみましたが聞くに堪えました。ティンパニーの低音が無いのは当然ですが、管楽器の響きなどは6000円のスピーカーの感じでは有りません。また、他にも色々聞いてみましたが、アコーディオンはだいぶ良くなりましたし、女性ボーカルはなかなか面白い感じです。低音が無い分近所迷惑にならないので、暫く目覚ましに使う事にしました。
下手にいじって悪化しても嫌ですし、また面倒なので、ネットワークや内部配線をいじるのは止めました。したがって、コンデンサーやプラグなどは元のままです。
欠点としては、エンクロージャーも小さいですし一応密閉型なので、周波数的には、明らかに低音が減少します。また、ツィータの位置によって音が変わるので適当な調整が必要です。また高音が若干きつい感じでしたので、ティッシュを前面において減らしています。しかし、無くてもよい感じです。結局のところきちんと調整しないと、音域的には暴れぎみにも思えます。一番の欠点は見た目が非常に安そうに見える事でしょうけれど...
本当はタイムドメイン方式のYOSHII9のような形の塩ビ管スピーカーに改造予定だったので、上向きにウーハーをつけてみたのですが、このふざけたスピーカーで結構まともな音が出ましたので、案外上向きにつけるだけでも効果が有るのかもしれません。
太陽誘電のDVD-Rケース(CD-Rも同じ)はペラペラのポリプロピレンですし、まともなエンクロージャーとは思えません。また、timedomainと比べるのは失礼だとは思いますが、筒型ですし、ゲルではなくティッシュですが不要な振動はうまく取れたのかもしれません。このふざけた改造は元に戻そうとすれば戻せますし、箱を見る限りネジの付け方次第で音が変わる程、繊細なスピーカーにも思えませんので、SS-MB360Hの音に飽きたら試してみてもおもしろいと思います。万人に勧められるとは思いませんが...。
今後としては、このユニットを使うか、FOSTEXのFE126Eあたりの能率の良いスピーカーを使うかは決めていませんし、塩ビ管にするかボイド管にするかはわかりませんが、Yoshii9型スピーカーでも作ってみる予定です。
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