fc2ブログ
2008-12-03(Wed)

ハイコーンと紙パッケージのエコ

 今週の話題は、ニュースでハイコーンとエコの話題をしていましたのでハイコーンと紙パッケージのエコについてです。ハイコーンというのは、欧米の6本組などの缶飲料についているプラスチックで缶をつないでいるだけの簡易な包装のことです。

 ITWハイコーンヨーロッパのマイヤー社長の話では、ハイコーンは紫外線で分解されるのでエコロジーであり、また、紙パッケージの半額のコストで済むそうです。紫外線で分解されるようになったことは、20世紀の終わり頃と比べるとずいぶん企業の環境意識が変わったなと私は素直に感心しています。WBSというニュースでもハイコーンの利点を中心に伝えられていました。以下のページでも肯定的に書かれています。
http://flatsea.at.webry.info/200811/article_7.html
http://blogs.yahoo.co.jp/geo_myeco/24068062.html

 しかし、メディアの言うことを考えもせず聴いていると騙されると思っている私としては、「はい、そうですか」と納得するはずはなく、今回も疑って掛かったわけです。まず、ハイコーンと紙パッケージを比較したのはヨーロッパででしょうから、比較対象の紙が日本より高い可能性があります。また、エコロジーに関して言うと再生紙の割合や利用度も異なるでしょうから本当に半額のコストでエコロジーになるのかかなり疑問です。

 そもそもハイコーンは、廃棄後に野鳥のくちばしに絡みつくので環境団体が問題にしていた物です。野鳥を殺しすぎて、20世紀の終わり頃には、特にヨーロッパで散々環境団体から非難されていました。紫外線で分解されるというのは野鳥対策です。ここで、一つ指摘するなら、分解前に野鳥に絡みつけば同じではないかという質問にどう答えられるのか興味はあります。以上のような問題はありますが、これを言っていると話が進みませんので、とりあえず、ハイコーンは2つのエコ(エコロジーとエコノミー)かも知れないということでマイヤー社長の話を一応前提にして進めます。

 日本のビール会社大手4社がハイコーンを採用しないのは、紙パッケージの美しさが必要だからということです。確かにハイコーン付きの6本ごとの輸入コーラなどを見ると全く美しくありません。ハイコーン以前に、コーラの缶そのもののが、日本製ではあり得ないほど、印刷がずれていたりして、外側以前に中の缶が美しくありません。そもそもそうした物では、デザインは重視しないのでしょう。文化の違いですので、美しさ無視で価格優先というのも、それはそれで有りだと思います。日本で受け入れられるかは別ですが。

 マイヤー社長はビール会社に断られたので、次にハイコーンを知ってもらうために、インターネットサイトであるエキサイトに行ったようです。エキサイトは女性ユーザーの多いサイトらしいので主婦層に訴えたかったのでしょうか。そのエキサイトの池田室長は、マイヤー社長との会談で「ハイコーンのどういった部分が環境に優しいかというところを、啓蒙していけるような仕組みを作っていきたい」と話していました。とりあえず私は「啓蒙とは失礼な」と感じました。エキサイトのユーザーは暗愚な人が多いと、この池田さんは言いたいのかと勘ぐってしまいました。ユーザーに暗愚な人が多いと思っているとしたらエキサイトに未来はないと思いますが、恐らくは、大企業意識から来る思い上がりから出てきた言葉でしょう。何にせよ、啓蒙されなければならないほど、何も考えずに消費者はビールを選んではいないと思います。エキサイトの果たすべき役割があるとしたら、情報不足で良さが理解されていないのなら、「伝えていく」ことが重要かもしれないということでしょう。

 このハイコーン採用の是非について、対立点は以下の通りだと考えます。ビール会社の本心は別のところにあるのかわかりませんが、ハイコーンでコストが半額になるらしいにも関わらず、(とりあえず表面的には)採用しようとしないのは、背景にある文化によるものではないかと思います。

 環境経済学をしていると、欧米流では、しばしば環境をゴミ箱のように考えます。ハイコーンもそうした意識が見られます。使い終わったら捨てることで問題が発生しなければ良いのだろうという環境意識です。私などは一回使ってゴミにするのはもったいないと考えます。紙は再生することで何度か使えますので、本来紙の文化に捨てるという意識は希薄に思えます。

 ワンガリ・マータイさんは日本語の「もったいない」に当たる言葉がないと述べておられたように、日本以外の多くの国では「もったいない」の概念自体が存在していないのでしょう。結局、このような意識の隔たりがあり、表面的なコストと環境意識だけでは、日本の消費者を説得しようとしても難しいのではないかと思います。エキサイトが「啓蒙」する気ならば、アメリカ人やヨーロッパ人に対して「mottainai」の啓蒙も同時に必要でしょう。私はどちらに対しても啓蒙などと、おこがましいことを言う気はありませんが、互いに理解するには時間がかりそうです。当面、相互理解されると期待できないなら、ハイコーンと紙パッケージの両方で環境負荷が減れば良いのではないかと思ったりします。
―――――――――――――――――――――――――――――
弁護士が一生懸命に考えた法律支援サイト
―――――――――――――――――――――――――――――
スポンサーサイト



theme : ロハス&エコロジーライフ
genre : ライフ

comment form

管理者にだけメッセージを送る

comment

プロフィール

point-bank.info

Author:point-bank.info
 私は、キャッシュバックサイトpoint-bank.info(ポイントバンクインフォ)の管理人です。point-bank.infoとは、自分自身が欲しいキャッシュバックサイトとして作ったもので、シンプルで高還元率なサイトです。この業界の粗利は5割を超えているサイトも多いですが、還元率は100%還元の案件も多く、平均還元率は80%を超えています。その利益を削った分を還元に回しております。それどころかこのサイトでの広告収入も配当として分配しておりますし、時々プレゼントも実施しておりますので大変お得なサイトです。運営は会社ですので、情報管理は万全を期していますし、会員登録もアドレス、パスワード等だけで住所などは必要ありませんので、安心です。詳しくは、下のカテゴリーの「未分類(1)」をご覧下さい。 

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる