2009-03-03(Tue)
食品トレーのリサイクルに掛けられるのは4.05秒?
確か2/18のニュースでしたが、食品トレーなしでラップのみの包装の肉類を扱っているスーパー(OKマートだったと思います)を話題にしていました。この番組での話題はコストであり、省資源に幾らコストが掛かるのかという話題でした。番組はスーパーのコストばかりを取り上げており、全体のコストについて触れていませんでした。
このスーパーでは、ラップのみの包装にかかる時間は6秒で、トレーが有ると0.6秒だそうです。つまり、一時間あたり、600個と6000個の差があり、ラップのみの方が手間が掛かるそうです。仮に、福利厚生費等を考慮して、パートの人件費が1333円として考えると、ラップのみにすると2円のコスト増です。一方、発泡スチロールトレーは一枚0.5円だそうですので、恐らく1.5円くらいのコスト増になるということです。
店長はこれ以上コストが掛かると負担が重すぎるような話しぶりでしたが、この店はトレー有りと無しで価格差を付けていませんでした(店長の話しぶりを信じるとギリギリの選択ということになります)。その状況では、消費者はトレー無しを選ぶ方が多い様でした。私が選択する場合も、リサイクルのみの考慮ならトレー無しを選ぶと思います。私は、トレーを洗うのも、リサイクルに持って行くのも、トレーで増えたゴミを余計に捨てるのも面倒なのでしたくありません。したがって、5円くらい高くてもトレー無しを選ぶと思います。
これは、スーパーのコストのみで、全体のコストについてで有りません。この話題で問題なのは、何処まで消費者がコスト計算しているかということです。リサイクルを考えると洗わなければなりません。その洗う場合のコストですが、直接的な費用と機会費用と社会的費用に分けられると思います。
直接的費用は洗う水代と洗剤代です。トレーの油汚れは、落ちにくいですので洗剤も結構必要ですし、水も使います。経験上1円どころではないように思えます。更に生肉や生魚をスポンジで洗うなら細菌類に関するリスクも本当はコストに入ります。
更に、機会費用があります。リサイクルに掛かる自分自身の人件費です。上の店の場合、ラップのみに包む場合との差は5.4秒でした。トレー代を時間に直して差し引くと4.05秒です。直接的費用を無視して、自分の賃金をスーパーのパートと同等と考えるのならば、4.05秒以内に洗えれば問題有りません。しかし、私はそんなに速く洗うことはできません。洗剤を付けるだけで4.05秒くらい経ってしまうでしょう。それ以上に掛かる時間は、全て余計なコスト負担です。当然、洗ったトレーを乾かす手間や、スーパーに持って行くのに余計に掛かる手間も含みますので、4.05秒など到底不可能です。
更に更に、洗剤や水を使うことで環境に悪影響を与えるので社会的費用が掛かります。長期的にはこの社会的費用は、コストとして跳ね返ってきます。
結局、これら三つの費用を足し合わせるまでもなく、機会費用だけで10円以上は優に掛かることになるのではないでしょうか。つまり、私の結論としては、発泡スチロールは、リサイクルに向かない素材だということです。
次に、ゴミとして捨てた場合を考えます。ゴミを回収する費用と処理費が掛かりますが、自分自身の労働や水代・洗剤代は掛かりません。トレーが3g程度なら10gくらいの二酸化炭素が出ます。行政の負担するゴミ袋1袋の処理費用が幾らかは忘れてしまいましたが、その処理費用と二酸化炭素排出コストで合計1.5円程度の費用であれば、トレーが有っても無くてもコストはあまり変わらないということになります。
以上より、リサイクルは明らかにコストに見合いませんし、仮に捨てた場合にコストが変わらないとしても余計にゴミを増やしている訳ですので、トレーは無い方が合理的であると言えそうです。
そして、この番組を見ていて思ったのは、以下の2点です。
一つ目は、スーパーのコストばかり取り上げるのはどうかということです。上の計算では、人件費のみを考えただけでリサイクルに4.05秒以上掛かるのならコストが逆転してしまいます。
二つ目に、将来的なコストは違うのではないかということです。トレーで1時間に6000個を包むのには機械を使う一方、ラップの方は手作業で非効率です。ここには、ラップ包装に関して改善の余地があります。また、トレーの価格は、値下げよりも値上げの可能性の方が高いと思われます。つまり、上で述べた1.5円のコスト差は「現状」であり、「将来」ではないということです。恐らく、将来的には、トレーを使わない方が1.5円高いということは無く、その差は縮まるか、逆転するのではないかと思われるということです。すると4.05秒よりも短時間で使用済みトレーを処理しなければなりません。たとえば、0.5円の差に縮まれば、1.35秒しか使用済みトレーの処理に使えません。それでは、リサイクルどころかトレーをゴミ箱に捨てに行くこともできない時間になりそうです。
そう考えると、平凡で昔から言われていることですが、過剰包装など止めて省資源にした方が良いということになります。昔から言われているのは「もったいない」という理由からですが、「もったいない」と「環境を考えたコスト」の背景に有るのは、どちらも環境負荷を減らした方がハッピーになれるということでしょう。そういえば、私の地本では4月から買い物袋が有料化されますが、買い物袋の有料化ばかりでなく、トレーも考え直した方が良いように思えます。
このスーパーでは、ラップのみの包装にかかる時間は6秒で、トレーが有ると0.6秒だそうです。つまり、一時間あたり、600個と6000個の差があり、ラップのみの方が手間が掛かるそうです。仮に、福利厚生費等を考慮して、パートの人件費が1333円として考えると、ラップのみにすると2円のコスト増です。一方、発泡スチロールトレーは一枚0.5円だそうですので、恐らく1.5円くらいのコスト増になるということです。
店長はこれ以上コストが掛かると負担が重すぎるような話しぶりでしたが、この店はトレー有りと無しで価格差を付けていませんでした(店長の話しぶりを信じるとギリギリの選択ということになります)。その状況では、消費者はトレー無しを選ぶ方が多い様でした。私が選択する場合も、リサイクルのみの考慮ならトレー無しを選ぶと思います。私は、トレーを洗うのも、リサイクルに持って行くのも、トレーで増えたゴミを余計に捨てるのも面倒なのでしたくありません。したがって、5円くらい高くてもトレー無しを選ぶと思います。
これは、スーパーのコストのみで、全体のコストについてで有りません。この話題で問題なのは、何処まで消費者がコスト計算しているかということです。リサイクルを考えると洗わなければなりません。その洗う場合のコストですが、直接的な費用と機会費用と社会的費用に分けられると思います。
直接的費用は洗う水代と洗剤代です。トレーの油汚れは、落ちにくいですので洗剤も結構必要ですし、水も使います。経験上1円どころではないように思えます。更に生肉や生魚をスポンジで洗うなら細菌類に関するリスクも本当はコストに入ります。
更に、機会費用があります。リサイクルに掛かる自分自身の人件費です。上の店の場合、ラップのみに包む場合との差は5.4秒でした。トレー代を時間に直して差し引くと4.05秒です。直接的費用を無視して、自分の賃金をスーパーのパートと同等と考えるのならば、4.05秒以内に洗えれば問題有りません。しかし、私はそんなに速く洗うことはできません。洗剤を付けるだけで4.05秒くらい経ってしまうでしょう。それ以上に掛かる時間は、全て余計なコスト負担です。当然、洗ったトレーを乾かす手間や、スーパーに持って行くのに余計に掛かる手間も含みますので、4.05秒など到底不可能です。
更に更に、洗剤や水を使うことで環境に悪影響を与えるので社会的費用が掛かります。長期的にはこの社会的費用は、コストとして跳ね返ってきます。
結局、これら三つの費用を足し合わせるまでもなく、機会費用だけで10円以上は優に掛かることになるのではないでしょうか。つまり、私の結論としては、発泡スチロールは、リサイクルに向かない素材だということです。
次に、ゴミとして捨てた場合を考えます。ゴミを回収する費用と処理費が掛かりますが、自分自身の労働や水代・洗剤代は掛かりません。トレーが3g程度なら10gくらいの二酸化炭素が出ます。行政の負担するゴミ袋1袋の処理費用が幾らかは忘れてしまいましたが、その処理費用と二酸化炭素排出コストで合計1.5円程度の費用であれば、トレーが有っても無くてもコストはあまり変わらないということになります。
以上より、リサイクルは明らかにコストに見合いませんし、仮に捨てた場合にコストが変わらないとしても余計にゴミを増やしている訳ですので、トレーは無い方が合理的であると言えそうです。
そして、この番組を見ていて思ったのは、以下の2点です。
一つ目は、スーパーのコストばかり取り上げるのはどうかということです。上の計算では、人件費のみを考えただけでリサイクルに4.05秒以上掛かるのならコストが逆転してしまいます。
二つ目に、将来的なコストは違うのではないかということです。トレーで1時間に6000個を包むのには機械を使う一方、ラップの方は手作業で非効率です。ここには、ラップ包装に関して改善の余地があります。また、トレーの価格は、値下げよりも値上げの可能性の方が高いと思われます。つまり、上で述べた1.5円のコスト差は「現状」であり、「将来」ではないということです。恐らく、将来的には、トレーを使わない方が1.5円高いということは無く、その差は縮まるか、逆転するのではないかと思われるということです。すると4.05秒よりも短時間で使用済みトレーを処理しなければなりません。たとえば、0.5円の差に縮まれば、1.35秒しか使用済みトレーの処理に使えません。それでは、リサイクルどころかトレーをゴミ箱に捨てに行くこともできない時間になりそうです。
そう考えると、平凡で昔から言われていることですが、過剰包装など止めて省資源にした方が良いということになります。昔から言われているのは「もったいない」という理由からですが、「もったいない」と「環境を考えたコスト」の背景に有るのは、どちらも環境負荷を減らした方がハッピーになれるということでしょう。そういえば、私の地本では4月から買い物袋が有料化されますが、買い物袋の有料化ばかりでなく、トレーも考え直した方が良いように思えます。
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